はじめに


屋外広告物は、都市景観を構成する重要な要素のひとつである。景観法制定以後、多くの都市で条例の見直しや屋外広告物ガイドラインを策定し、優良な広告物への誘導が図られている。しかし、条例による量的な規制やデザインの方針設定だけでは、優良な広告物への改善は難しい。色彩による規制や大きさの規格化などは、地域によっては効果的であるが、魅力的な景観創出を図る上では不十分といえる。また、重要な課題であるのに、屋外広告のデザインに関する専門書が手薄な状況である。そこで、初心者が最も基本的な考え方を身につけ、経験者が今までの経験を説明できるテキストを編集した。

 

テキストの構成


1.屋外広告デザインの概念


 

1.屋外広告の定義
2.記号としてのサイン
3.都市景観と屋外広告物
4.屋外広告物の特性
5.CI. VI. ブランド
6.デザインコンセプト
7.屋外広告の3原則
8.屋外広告の分類
9.効果的な屋外広告
10.設置位置
11.サインシステム
12.適切な情報量
13.デザインの密度

2.屋外広告デザインの基礎


14.情報の階層化
15.和文書体
16.欧文書体
17.簡略記号
18.レイアウト
19.色相・明度・彩度
20.トーンが伝える色彩イメージ
21.色の視認性
22.配色
23.景観の色彩計画
24.緑の活用
25.デジタルメディア


 

3.屋外広告に関わる方への助言


 

26.条例・許可申請
27.行政への助言
28.広告主への助言
29.製作者への助言
30.屋外広告物を超えて


 



屋外広告のテキスト 2013年3月20日

68頁フルカラー 200mm×200mm

本書は、九州大学大学院芸術工学研究院佐藤優研究室の研究成果報告書としてまとめたものである。

ここでは、「都市景観と屋外広告物」、デザインの考え方である「屋外広告の3原則」を抜粋する。

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